毎日 価格の問合せと見積りに追われています。

当然 高くてはいけない 安くすると採算割れになって企業がもたない。調度いい価格をいつも 求めています。

木材の価格はどんなにして 或いは どうなって決まっていくのか? 簡単なようで 簡単でない 仕組みをお知らせします。

基本は 木材は体積によって決まります。 m³いくらです。つまり 3mで105mm105mm角なら 体積0,0331m³ これにm³あたりの価格をかけます。 m³60000円なら 0.0331×60000円で 1本 1986円になります。 木材は相場で変動しますから m³70000円になれば 一本が2317円になります。

木材には 規格寸法があります。木造建築は主に 105mm角になっています。 しかし 一番多いこの寸法でさえ その種類は多く 材種は杉・桧・米松・米栂・これらにグリーン材(未乾燥材)それらのアラ寸法(製材挽きだて寸法)で105mmとモルダーがけ(四方加工機を通したもの)の105mmがあります。 モルダーがけ105mmにする為には 110mmの寸法にアラ挽きしてから加工して105mmにします。

加工と言う言葉が 製材で製品をつくるのとは別に もう一度4方加工機を使って 精度を良くする。

理由は製材の機械は 鋸が揺れて また 少しはましな精度の丸鋸リップ挽きでも 鋸の歯の関係で精度は出ません。そこで プレーナーと言われる 加工機で精度を高める。

つまり 同じ105mm角でも アラの105mm角と プレーナをあてた105mm角とは もう一度 プレーナーをかける手間と 元の体積が大きくなることにより 価格が違ってきます。

それ以外に 各材種の人工乾燥材(KD材) 乾燥した板を張り合わせた集成材(EW)があります。

これら いろんな種類の木材を適材適所で選んで 使用するわけですが それらの価格はどうやって決まっていくのか?

基本の一つは 原木からの計算 杉の柱を例にあげると 多くが原木の市場で 原木を購入します。 毎日県下である 原木市場で 入札により購入します。相場は変動し 高い札を入れないと落札しません。

その価格に市場の積みこみ賃を払い 専門 大型トラックで運賃を払って 製材工場に搬入します。 そして 工場経費を足します。

つまり 製材工場の基本は賃挽きで 昔は多く 稼働していました。 一本いくらで 丸い原木を角材にしたり 板にしたりします。

原木代+リフト賃+原木トラック賃+製材賃挽き賃+乾燥機賃+モルダー賃+製品の配送賃+現場配送賃 で杉KD材が 現場まで届き 住宅会社にこの価格が提示されます。

つまり 原価主義    

 山から原木市場までのトラックも含め いかにトラックの輸送賃がかかっているか 驚きます。

もう一つの基本 

原木がいくらであろうと 製材経費がいくらであろうと 需給バランスで決まる 製品相場です。 

これらは 主に都会に 輸送して販売したら いくらで売れるかになります。 昔は輸送範囲が狭く 地方相場がありましたが 今は情報と輸送が早く 各地の相場がすぐに伝播します。

例えば 東京の住宅会社が 柱を何にしようかな?と考えます。

出来るだけ安くていいもの 材種にはこだわらない 杉のKD材にしようか 輸入品のホワイトウッドのEW集成材にしようか 価格を比べます。もし この集成の柱が安いなら そちらに需要が奪われます。 この集成柱も為替や相場で揺れ動きます。それに対抗して 価格が決まってきます。

つまり 遠く離れた 四国の山の木の価格が 都会の需要と外国材の為替によって 影響を受けて 変動しています。

私はいつも この 2つの基本を元に価格を検討しています。

価格が決まるのは 別に品質も問題もあります。これは 別に説明します。

 

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